« 大波乱の箱根駅伝 | メイン | 早出して名古屋に帰還 »

2008年01月04日

元教え子の相談に乗る

以前学習塾の講師をしていた時の教え子が進路について相談があるというので、
話を聞いてやりました。
彼は俺の母校へ入学した苦学生で、奨学金や研究奨励金を駆使して進学。現在
博士課程の1年生です。修士課程に進んだ時には良い先生の研究室に入れたと
喜んでいたのですが、博士課程に進んだらその先生が豹変したのだとか。

曰く、

・学位をちらつかされて自分の研究に関係ない仕事を押しつけられる
・自分の研究と関係ない仕事のために日曜日の登校を義務づけられる
・自分の獲得した外部研究費を指導教員に召し上げられ、自分のために使えない
・自分が共同著者になっていない論文を執筆させられる
・将来は大学に残るよう圧力をかけられる
・その先生は研究費で出張し、女子学生にだけお土産を買ってくる
・しかもそのお土産は化粧品の類

てな感じだそうです。いや、見事にアカハラ、セクハラが揃っていますな。
そんなこんなで彼は大学院がイヤになってしまったので、学位を取得したら大学に
残らず就職を考えているとのことでした。
俺は自分がこういう職種ですし、彼のここまでの進路にもかなり関与しています。
優秀な人間なので大学に残ってもらいたい気持ちはありますし、彼も元々の希望は
そうでした。しかし大学に残ればこの先生との縁は切れず、今後もずっとこんな調子
でこき使われることは想像に難くありません。なまじ優秀なだけに。それならば就職
というのも選択肢として十分に考えられます。今は就職いいですし、実験系ならば
博士課程の学生の就職状況もいいようですからね。

問題は学位取得まであと最短2年間はこの先生と付き合わねばならないということ
です。そこで俺は以下の3つのアドバイスをしました。

1.記録を付ける
何月何日に、先生に何を言われたか、何を指示されたか等を事細かに記録する。
今はどこの大学にもハラスメント対策窓口のようなものがあるはずです。そこへ相談
するにせよ、裁判を起こすにせよ、貴重なエビデンスになります。

2.学内に味方を作る
同じ専攻の助手や助教、できれば他の教授の先生と仲良しになり、さりげなく愚痴
をこぼしたり相談を持ちかけたりする。有効なアドバイスをもらえるかも知れませんし、
何かあった時に「そういえば彼は以前こんなことを言っていた」といった証言をして
もらえるかもしれません。

3.どうしようもなくなったら病院へ行く
かなり思い悩んでいるようでしたので、学内の医務センターのようなところや精神科
関連の病院へ行くことも手であることを示唆しました。うつ病などの診断書は学内の
すべてのルールを反故にしかねない強力な威力を持っています。これをタテに指導
方針の改善を迫れる可能性があります。
うちではなぜかうつ病の診断書を提出した学生は元気に卒業して行きますが。(笑)

しかしまぁ専攻は違うとはいえ、うちの母校もよくぞここまで腐敗してくれたものです。
嘆かわしい……。

[教員生活] 投稿者 Naru : 2008年01月04日 23:31

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://naru.sytes.net/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1157

コメント

コメント投稿




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)