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2008年05月20日

離婚後300日問題を考える

※このエントリーは、俺の主観によって全く他人事の問題について論じています。
 事実誤認などがあれば訂正いたしますのでご指摘下さい。

離婚後300日以内に出産した場合、新生児は前夫の子供と推定するという民法の
規定による問題が報じられています。
正しく現夫の子供として戸籍を訂正するには前夫の協力が必要になるため、離婚の
DV等で前夫と関わりたくなかったり前夫が協力的でない場合には手続きが困難と
なるため、出生届が出せずに戸籍のない子供になってしまうという問題です。
あと離婚後に妊娠したことを医師に証明してもらうことでも訂正できるようですね。

民法の規定に問題がありそうなのはまぁわかりますが、それ以前になぜこのような
問題が発生するのかということがあまり議論されていないように思います。
是非はともかくとして、現在の法律はこのようになっているのに、なぜそれでも離婚
後300日以内に出産する状況になってしまうのでしょうか。以下のようにパターンを
分けて考えてみました。

1.離婚後に妊娠したが、早産になってしまった
2.離婚後に妊娠して早産だったが妊娠時期を証明できない
3.離婚前に妊娠した

1は証明を受けることで戸籍の訂正が可能です。
1と2はやむを得ない状況というか想定していないアクシデントと考えられます。

3についてはちょっと計画性に欠けると言わざるを得ないのではないでしょうか。

個別には様々な状況があるでしょうが、離婚前ということは「法律上の夫以外の
男性と性的交渉を持った」ということになります。事実上婚姻関係は破綻している
のでしょうが、法的な問題が残っていることは明らかなはずです。不貞行為である
と解釈する余地だってあるかもしれません。
現実に民法のルールが存在している以上、妊娠して出産した場合の問題はその
段階で予想できて然るべきではないでしょうか。
また「法律を知らなかった」で済まされることでもないと思います。知らなかったで
済めば警察はいらないわけです。別に犯罪ではありませんが。

ルールの方に問題があるのはわかりますが、そのルールに抵触しておいて一方
では声高にルールの問題を主張するというのは自分としては納得がいきません。
一般論として、ルール改正を望むならばまず自分がルール遵守の姿勢を見せる
べきだというのが俺の考えです。この問題には当てはまらないかも知れませんが、
義務を果たさずに権利を主張するようにも見えてしまいますから。
まぁルール遵守できていればそもそも問題が顕在化しないということもあるので
しょうけどね。

それはそれとして、ではどのようにこの問題を解決すればいいのか。法律の弾力
的運用とやらは何だか恣意的に見えるので俺としては望ましくありません。
今は医療技術の進歩でDNA鑑定が容易にできるわけですから、「遺伝上の親子
関係が確認でき、当事者(母親と現夫)の同意があって、前夫との間には事実上
の親子関係がない」ことが確認できれば現夫を戸籍上の父親としていいのでは
ないかと思います。もともと離婚後300日というのは血縁関係を推定するための
規定なのでしょうが、今は科学的に確認できるわけですからね。曖昧な推定に
頼る必要はないはずです。

いっそのこと出産時に必ずDNA鑑定をすることにしてもいいのでは、とも思います。
ただ母親との血縁関係は自明ですから、父親との血縁関係だけが確認されると
いうことになってしまいます。公平性の観点から問題があるかも知れませんね。

[雑感&雑記] 投稿者 Naru : 2008年05月20日 23:40

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