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2009年02月16日
北方三国志を読破する
昨年末から北方謙三の三国志(全13巻)を読んでいます。通勤途中やちょっとした
空き時間などにコツコツと読み進め、本日ついに読破しました。
三国志小説と言えば日本では吉川英治の三国志が有名です。他には原典でもある
三国志演義や、柴田錬三郎の英雄三国志、陳舜臣の秘本三国志といったあたりが
メジャーどころでしょうか。当然ながら大筋では同じような話なのですが、それぞれ
少しずつ描写や雰囲気など細部に違いがあって楽しめます。
今回読んだ北方三国志は基本的に正史ベースで、独自の解釈がなされている部分
が多く楽しめました。様々な登場人物に視点が移るという描写もいいですね。三国志
のような登場人物の多い作品には合っていると思います。
この作品は呂布や曹操の描写に定評がありますが、俺は張飛の描写がお気に入り
です。よく劉備の聖人君子振りをアピールするために粗暴な役回りを(作者によって)
負わされることの多い張飛ですが、この作品では自らそのような役回りを買って出て
いるという設定になっています。兵士を殺してしまうエピソードも「劉備が短気を起こ
してしまう前に張飛がその役割を買って出る」ということになっています。
当然ながら劉備は単なる聖人君子ではないということになりますが、キャラ付けとして
はこの方がいいと思いますね。蒼天航路でもそうでしたが。聖人君子路線ではどうし
てもキャラが薄くなってしまいます。
反面、関羽は若干小さいキャラであるように感じました。最期はなかなかでしたが。
張飛の妻を始め、様々なオリキャラが出てくるのも楽しめました。さすがにストーリー
根幹に関わるような出番はありませんでしたが、あちこちにちょこちょこ出てくるのが
アクセントになって良かったと思います。
また、三国志の二次創作物にあった一部設定の元ネタがこの作品にあることが確認
出来たりもしました。それだけメジャーかつ人気のある作品なのでしょう。
さて、大作を読み終えてしまって一抹の寂しさがありますな。三国志小説の有名な
ところはほぼ網羅しましたし、次は宮城谷三国志にでも手を出してみるかな。まだ
完結してないらしいけど。
[趣味・サブカル] 投稿者 Naru : 2009年02月16日 00:15
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