「教育勅語」を読み解く

森友学園問題で話題になった教育勅語。法的には国会決議で既に廃止されているものですが、政府が「憲法と教育基本法に反しない限り」教育の現場で使うことは差し支えないとか言い出すなどちょっと混乱を招いています。

そこで、内容的にどこが今の時代でも有効でどこがアウトなのか、俺なりに現代語訳を読み解いてみることにしました。現代語訳はこちらのサイトに依ります。

私が思うには、我が皇室の先祖が国を始められたのは、遙かに遠い昔のことで、代々築かれてきた徳は深く厚いものでした。

ここは何の問題もなし。

我が国民は忠義と孝行を尽くし、全国民が心を一つにして、世々にわたって立派な行いをしてきたことは、我が国のすぐれたところであり、教育の根源もまたそこにあります。

「忠義」「心を一つに」が今の時代にはそぐわないかも。「我が国民」もまずいか。単に国民ならOK。

あなたたち国民は、父母に孝行し、兄弟仲良くし、夫婦は仲むつまじく、友達とは互いに信じあい、行動は慎み深く、他人に博愛の手を差し伸べ、学問を修め、仕事を習い、それによって知能をさらに開き起こし、徳と才能を磨き上げ、進んで公共の利益や世間の勤めに尽力し、いつも憲法を重んじ、法律に従いなさい。

「公共の利益」がややそぐわないが、「お仕事をすることで世の中の役に立ちましょう」くらいの主旨ならばOKか。法治国家である以上は憲法と法律に従うのは当然。

そしてもし危急の事態が生じたら、正義心から勇気を持って公のために奉仕し、それによって永遠に続く皇室の運命を助けるようにしなさい。

「公のために奉仕」「皇室の運命を助ける」はまずい。「自分の周りの人たちと助け合いましょう」「みんなで助け合うことで、国全体を助けることにつながります」くらいの主旨ならばOKか。

これらのことは、単にあなた方が忠義心あつく善良な国民であるということだけではなく、あなた方の祖先が残した良い風習を褒め称えることでもあります。

「忠義心」がそぐわないかな。国民主権だからね。立憲君主制みたいなものでもあるが。

このような道は、実に我が皇室の祖先が残された教訓であり、その子孫と国民が共に守っていかねばならぬことで、昔も今も変わらず、国の内外をも問わず、間違いの無い道理です。

「守っていかねばならぬ」「間違いの無い道理」は少々押しつけがましいか。

私はあなた方国民と共にこの教えを胸中に銘記して守り、皆一致して立派な行いをしてゆくことを切に願っています。

主語が(明治の)天皇陛下個人なので、特に問題なし。

以上。全体主義的な部分がやっぱりちょっと気になるね。

大事なところは「家族や友達とは仲良く」「しっかり勉強してお仕事をして人の役に立つ」「いざという時はみんなで助け合う」の3点で、これだけなら何の問題もないのでは。押しつけがましいっちゃ押しつけがましいけど、これらは現在の価値観でも普遍的なものだしね。