下関市長の修論が不合格となる

下関市の市長さんが、下関市立大学大学院(経済学研究科)に提出した修士論文が不合格となったそうです。この問題、いろいろとツッコミどころが多いのですが、Twitterでは自分が大学関係者だと明かしていないことからコメントしづらく、Facebookでは所属大学まで明かしているて逆の意味でコメントしづらいため、ブログにて思う存分分析することに。(笑)

社会的に最大の問題となっているのは、市長さん自身が大学の設置者であること。学長選挙(ルール上、拘束力はない)で1位でなかった先生を学長として指名して、しかも修論の指導教員もその先生だったそうです。これはちと公私混同が過ぎるのでは。

ただ公私混同は不合格とする理由にはならないと思います。利害関係者であることを不合格の理由とすることは、合格の理由とすることと同様に問題ではないでしょうか。やはり研究の中身で勝負しないと。
いや、利害関係者であることが既に問題なのはわかりますが、それを云々する段階は既に過ぎていると思うんですよね。問題化して突っぱねるなら入学の段階でするべきだった。

論文は550ページに及ぶ大作だったとか。労力は買いますが、もちろん論文の価値はその分量では決まりません。うちの分野(工学系)だったら、「もっとコンパクトにまとめて」と突っ返す先生がいてもおかしくないレベル。
個人的には、多くても100ページくらいにはまとめて欲しいなぁ。

内容にも問題が多いとか。公務の合間を縫って実務的な内容を盛り込んではいるようですが、自分の人生論やら履歴書的な内容やらも盛り込まれているとか。理科系ではあり得ないことですね。文化系ではわかりませんが、経済学系ならば流儀は理系に近そうな気がします。

市長さんは審査の過程について情報公開請求をするつもりのようですが、これどうでしょうね。先生方による委員会で、投票で決定した結果だそうですから、不合格の理由を問おうと思ったら先生方1人1人に聞いていく必要があるかと。というか指導教員に聞けば1発ではないかと。

この市長さん、入学が2011年度なので今年度で在学年限がいっぱいです。すなわちこの論文が3月中に通らなければ自動的に退学扱いとなります。どうなることやら。

......というかプロフィール見たら、この人他所の大学の修士持ってるじゃん。地元の私立大学みたいだけど。なんでわざわざややこしいことしてまでまた修士取ろうとしてるんだろう。