横浜市営地下鉄では優先席を設けず、「全席が優先席」という扱いをして
いました。しかし席の譲り合いが定着しないことから、「譲りあいシート」
なる座席を設け、ここを事実上の優先席(最優先席)として運用することに
なったそうです。
これに対して朝の情報番組「とくダネ!」では否定的に扱っていました。
曰く、「譲り合いが当たり前なんだから優先席なんぞいらん」ということ
みたいです。笠井アナだけが横浜市営地下鉄の取り組みを評価してました。
「譲り合いが当たり前」というのは大原則というか大前提で、俺もこれに
対して異を唱えるつもりはありません。しかしそれは理想であって、現実
問題としてこれが定着していないという事実が一方にはあるわけで、である
からには最優先席の設定はやむを得ないと俺も考えます。
これを機会にいろいろネットで調べてみると、席の譲り合い、または譲らず
に済ませようという様々な試みがなされていて興味深いです。
前述の通り原則としては譲り合いが前提であると俺も考えてますが、だから
と言って無原則に譲るべきか、譲るという行動を起こすかというとそうでも
ありません。年配の方に席を譲ろうとしても、「年寄り扱いするな」と逆に
怒られるケースがあったりして話はややこしくなっています。
基本的には、席を必要とする人には譲るという最低限のラインを徹底する
しかないのでしょう。お年寄りだから席を必要としているとは限りませんし、
若い人手も体調が悪かったりして席を必要としている人もいるでしょう。
大事なことは、
1.譲って欲しい側が譲ることを強要しない
2.譲ってほしくないのに譲られても怒らない
3.譲るという好意を否定されても気にしない
といったことではないかと思います。
1は、例えば山歩きの帰りと思しきお年寄りたちが、席を譲られないことに
対して不満をこぼしたという事例に由来します。だけど山を歩いて来たのに
電車で立っていられないということはあり得ませんわな。
2は当然ですな。譲られるということは好意ですから、素直に好意だけ受け
取って感謝の意を表しておけばいいと思います。
3は、好意を否定されると人間どうしても不愉快に感じますし、そうなると
譲ろうという気持ちにもなりにくいと思います。挫けずにチャレンジし続け
たいです。
好意ってのは受け止められるとこちらも嬉しいものです。ですからお互いに
ポジティブな受け止め方ができれば譲り合いも普及していくと思うんです。
逆に譲らなくていいと俺が思うケースは、「譲って欲しい側が座るための
努力を放棄している」というもの。
例えば混雑する電車でも、始発駅で2、3本見送れば座れるものです。
そうやって時間というコストを支払って座っているのに、発車ギリギリに
なって乗り込んできて席を譲れというのは(優先席以外では)通りにくい
と思います。座りたければ自分も2、3本見送れば確実に座れるわけです
からね。
「仕事に行く若い人が、遊びに行く年配者に席を譲るべきか否か」という
のは難しい問題だと思います。これはちょっと俄に結論づけがたいですね。
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