アジアシリーズの大会形式

今年のアジアシリーズは韓国で行われています。当初は日韓台中、昨年は日韓
台豪の4チームで行われていましたが、今年は日韓台中豪に開催国枠(韓国開催
なので、韓国は2チーム出場となる)を加えた6チーム開催です。

4チーム開催の頃は予選の総当たり戦を行って、1位と2位のチームで決勝を
行ってました。
6チーム開催の今回は、3チームずつで予選リーグを行い、それぞれの1位同士
で決勝を行うという大会形式です。
ところが3チームでの総当たり戦は1日に2チームが対戦するのでもう1チーム
が余ってしまいます。予選のA組では昨日台湾のラミゴと中国選抜が対戦して
ラミゴが勝ち、今日はそのラミゴと昨年チャンピオンで地元韓国代表の三星が
対戦してラミゴが勝ちました。従って2勝のラミゴがA組1位確定です。

昨日試合なしだった三星は初戦の今日破れたことで早くも敗退が決定し、しかも
明日中国との試合があります。中国も敗退が決定していますから、これは消化
試合です。
いくらなんでもこれはかわいそうだと思います。興業上、大会形式に問題がある
のではないでしょうか。

予選リーグを3チームで行わなければならず、試合なしチームが発生するのが
最大の原因と考えられます。出場チームを8チームに増やし、4チームずつで
予選を行えばこの問題は解消されます。
その場合、出場チームはどうすべきでしょうかね。現在の出場国以外の国は競技
レベルの差が大きすぎるような気がするので、「前年度決勝進出した2国の代表
枠を2とする」というのが考えられます。
ただ開催国枠と併せて1国3チーム出場になり得るのはちょっと多すぎるかな。

6チームでやるなら、ステップラダー式を一部取り入れてこんな感じのトーナ
メントではどうでしょうね。

ステップラダーを取り入れたトーナメント

シードの2国は、前年度決勝進出国とし、開催国枠で2チーム出る国は決勝まで
当たらないようにすればよろしいかと。
......って作ってみたら割と普通のノックアウトトーナメントですな。ステップラダー
って言うほどのもんでもないか。

問題があるとすれば、シードチームは2試合勝っただけで優勝が決まってしまう
ことです。試合数も全部で5試合しかなく、大会は3日(1回戦、準決勝、決勝)
で終わります。ちょっと味気ないかもしれませんが、日程負担の大きさを考えたら
むしろメリットであるとも考えられますね。

こういう大会は、チーム間の実力差が的確に反映され、また弱いチームでもそれ
なりの試合数がこなせるようにするため予選で総当たり戦を行うことが多いです。
その後は興趣を優先して一発勝負のノックアウトトーナメントによる決勝が一般
的です。
しかし6チームってのは一括でこれをやるには多く、2組に分けるには少ないん
ですよね。WBCみたくダブルエリミネイトでやるとまた試合数が増えますしねぇ。

ところで、チームの実力差を的確に反映などと言うと、「強いチームが順当に
勝ち上がるだけの大会はつまらない」という反論を受けることがあります。
確かに「格下と見做される側が、事前の予想を覆して勝利する(Wikipedia)」
番狂わせ、あるいはジャイアントキリングは大きな興奮を呼びますし、俺も
大きな興趣を感じます。しかしそれも通常は格上のチームが順当に勝利すると
いう前提あってのことです。チームの強弱に関係なく勝敗が決まるようでは
逆に面白くないと思うのですが、どうでしょうか?

また強いチームが勝ち上がりやすい大会形式であるからこそ「優勝したチーム
こそが強い」と考えることもできると思います。弱くても勝てる大会の優勝に
いかほどの価値があるでしょうか。

もちろん、ここで俺が考えている「チームの実力」とは潜在的な戦力に限った
話ではなく、采配や戦術と言った部分を含みます。実力が高い方が勝つために
有利であるからこそ、事前に戦力を整え、相手を研究して戦術を練るわけです。
そこを怠っている「弱いチーム」が漫然と戦った上で強いチームに勝ったと
しても番狂わせの面白さはないでしょう。