実験の打ち合わせを行う

明日からいよいよ後期の授業が始まります。今日は今年も火曜日に担当する物理学実験の打ち合わせが行われました。

この打ち合わせの場で、去年担当して気になった点を指摘してみました。測定値xが理論値μと異なっているかどうかを判断する時、付随する誤差を合成したΔを用いて、x±Δの範囲内にμがあるかどうかを基準とする学生が多くいました。

Δは変動の基準としては標準偏差に相当しますので、正規分布を仮定するならばこれは厳しい基準と言えます。「本来は異なっていない場合に、異なっていると誤った結論を出す確率」が33%程度あるわけですから。

統計的にはこのような場合、標準偏差の2倍を基準とするのが一般的です。すなわち、x±2Δを用いるならば問題はないかと思います。上記の誤りを犯す確率を5%程度まで低減することができますから。

基準を緩くすると言うことは、「本来は異なっている場合に、異なっていないと誤った結論を出す確率」が増大するリスクもあります。ただこれは上記の誤りを犯す確率とトレードオフであり、落としどころとしてはやはり標準偏差の2倍程度が妥当なところだと思います。だからこそよく使われているわけで。

てなことを打ち合わせで指摘してみたんですが、あんまりよく分かってもらえませんでした。えーみんな気にしてないのかな。上記の誤りを犯す確率が33%もあって危険であることを理解して使うんならいいんですけどね。俺の説明が悪いのかな。

それともガイダンスで俺が説明した方がいいのかな。あんまり仕事増やしたくないんだけど。(笑)